blognews 認知症で後見人がついている人の不動産売却の手順と注意点は?

宅建士25年目で不動産コンサルタントの坂口 貴長隆です。
成年後見人が付いている人の不動産を売却する際には、被後見人(本人)の利益を守るため、様々な手続きと注意点があり、特に、売却する不動産が「居住用」であるか「非居住用」であるかによって、手続きが大きく異なります。
居住用不動産売却の手順
被後見人(売主)が現在住んでいる、または将来住む可能性がある不動産を売却する場合、家庭裁判所の許可が必須です。
1・不動産会社への相談と査定
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まずは不動産会社に相談し、売却する不動産の相場を調べ、査定を依頼します。
- 2~3社の不動産会社に査定を依頼し、適正な価格を把握することが重要です。
2・売買契約書の案の作成
- 購入希望者が決まったら、売買契約書を作成します。
- この際、契約書に「家庭裁判所の売却許可が得られなかった場合は契約を無効(白紙解約)とする」という停止条件を必ず含めます。
3・家庭裁判所への申立て
売買契約書の案ができたら、管轄の家庭裁判所に「居住用不動産処分許可の申立て」を行います。
<申立てに必要な書類>
①申立書(裁判所サイトからダウンロード可)
②不動産の全部事項証明書(法務局発行かオンライン取得分でOKかの判断は担当裁判官による)
③不動産売買契約書の案(署名捺印直前のものでOK)
④不動産の評価証明書
⑤不動産業者が作成した査定書
⑥売却代金の使途に関する計画書(なぜ売却が必要か、売却代金を何に使うかなど)
⑦その他、裁判所が求める書類
4・家庭裁判所の許可
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裁判所は、売却が被後見人の利益になるかどうか、売却価格が適正かどうか、売却後の居住場所が確保されているかなどを審査します。
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2~3週間の審査を経て、売却が許可されれば「許可決定書」が交付されます。
5・決済と引き渡し
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家庭裁判所の許可が下りてから、売買契約の決済と不動産の引き渡しを行います。
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所有権移転登記の際には、通常の書類に加えて「家庭裁判所の売却許可決定書」や「成年後見人の登記事項証明書」が必要になります。
非居住用不動産売却の手順
被後見人が居住していない、投資用のアパートや土地などの不動産を売却する場合です。
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原則として家庭裁判所の許可は不要ですが、後見監督人がいる場合は、事前にその同意を得ることが望ましいとされています。
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ただし、売却理由が合理的でないと判断された場合、後から問題になる可能性があるため、事前に家庭裁判所や後見監督人に相談しておくことが賢明です。
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手続きの流れは通常の不動産売却とほぼ同じですが、被後見人の利益を最優先するという成年後見人の義務に則り、適正な手続きと価格での売却を心がける必要があります。
注意点
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居住用不動産の売却には必ず家庭裁判所の許可が必要:許可を得ずに行った売却行為は無効となります。
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被後見人の利益を最優先する:売却は、被後見人の生活費や介護費用に充てるなど、本人の利益のために行うことが大前提です。成年後見人や親族が私的に利用することは許されません。
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売買契約書の停止条件:居住用不動産売却の場合、家庭裁判所の許可が下りない可能性も考慮し、必ず売買契約書に停止条件を盛り込みましょう。
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時間的余裕を持つ:家庭裁判所の手続きには時間がかかります。スケジュールに余裕をもって進めることが重要です。また、後見監督人(弁護士)が付いている場合は、手続きの関係上、後見監督人の任期が終了する前に売却することが望ましいです。
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借地権を売却する場合:建物は本人のものでも土地は借地(いわゆる借地権)の場合は、地主の承諾書も必要となり、保証金や保証金の抵当権者の変更(債権譲渡)があれば、その旨も裁判所の許可申請書に盛り込む必要があります。
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専門家への相談:複雑な手続きや書類準備が必要なため、司法書士や弁護士、売却専門の経験豊富な不動産業者に相談することをおすすめします。
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