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底地、借地権の売却は難しい?

宅建士25年目で不動産コンサルタントの坂口 貴長隆です。

底地と借地権の売却は、通常の不動産売却に比べて難しいとされることが多いです。それぞれの権利の特性と、売却における特有の課題が存在するためです。

 

底地の売却が難しい理由

 

  • 利用の制限: 底地の購入者は、土地を自由に利用することができません。借地権者が建物を建てて利用しているため、自分で利用したり、建て替えたりするには借地権者の同意が必要となる場合があります。
  • 収益性の低さ: 底地からの主な収入は地代ですが、一般的に賃料収入は固定資産税や都市計画税などの維持費と比較して低い場合があります。
  • 住宅ローンの利用が難しい: 金融機関は、担保価値を重視するため、利用に制限のある底地は担保評価が低くなる傾向があり、住宅ローンを借りにくい場合があります。
  • 借地人との関係性: 底地の売却には、借地人との交渉や協力が必要となる場合があります。地代の改定や契約更新などを巡ってトラブルが生じる可能性もあります。
  • 買い手が見つかりにくい: 上記の理由から、底地を積極的に購入したいという層は限られます。

 

借地権の売却が難しい理由

 

  • 地主の承諾が必要: 借地権を第三者に売却するには、原則として地主の承諾が必要です。地主が承諾しない場合、売却は困難になります。
  • 承諾料が発生する: 地主が売却を承諾した場合でも、借地権者は地主に承諾料を支払う必要があります。
  • 住宅ローンの利用が難しい: 借地権付きの建物は、土地の所有権がないため、担保評価が低く、購入希望者が住宅ローンを借りにくい場合があります。
  • 買い手が見つかりにくい: 借地権には、地代の支払い、契約更新、建て替え時の承諾など、所有権にはない制約があるため、購入をためらう人もいます。
  • 契約内容による制限: 借地契約の内容によっては、売却が制限されている場合や、売却時に特別な条件が付いている場合があります。

 

底地・借地権を売却する方法

 

難しいとされる底地や借地権ですが、売却する方法がないわけではありません。主な方法としては以下のものがあります。

  • 借地人に買い取ってもらう (底地の場合): 借地人にとって、土地を所有することはメリットがあるため、交渉次第では買い取ってもらえる可能性があります。
  • 底地を買い取る (借地権の場合): 借地権者が底主から底地を買い取ることで、完全な所有権となり、売却しやすくなります。
  • 底地と借地権を同時に売却する: 地主と借地人が協力して、底地と借地権をセットで第三者に売却する方法です。完全な所有権として売却できるため、より高い価格で売却できる可能性があります。
  • 専門の不動産業者に相談する: 底地や借地権の取り扱いに慣れている不動産業者に相談することで、適切なアドバイスや買い手探しをサポートしてもらえます。
  • 不動産買取業者に買い取ってもらう: 専門の買取業者は、複雑な権利関係の物件でも買い取ってくれる可能性があります。ただし、仲介に比べて売却価格が低くなる傾向があります。

 

売却を成功させるためのポイント

 

  • 早めに専門家に相談する: 底地・借地権の売却は複雑な legal issues が絡む場合もあるため、早めに専門家(不動産業者、弁護士など)に相談することが重要です。
  • 関係者との良好なコミュニケーション: 借地人や地主との良好な関係を築き、協力体制を整えることがスムーズな売却につながります。
  • 複数の選択肢を検討する: 一つの方法に固執せず、様々な売却方法を検討することが大切です。
  • 相場を把握する: 底地や借地権の専門業者に査定を依頼し、適切な相場を把握することが重要です。

 

底地、借地権の売却は確かにハードルが高い場合がありますが、専門家のサポートを得ながら、適切な方法を選択することで、売却の可能性は十分にあります。

 

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